ちよりの読書室

読んだ本の感想をゆる~く書いています。

物語の結末について述べています

読んだ本

『惑う星』

リチャード・パワーズ

木原善彦

新潮社

惑う星

 

正直に感想を書こうとするとタイトル通り物語の結末について述べることになります。ネタバレが嫌だと思われる方はこれより先は読まないという選択をお願いします。

(そのため長めに改行しておきます)

 

 

 

 

 

 

 

この物語ではアメリカ社会の政治的分断、環境破壊、SNSの影響力などの現代社会が抱えている問題について提起してあり、考えさせられることが多いです。

 

話の中心になっているのは、母親を早くに亡くし不安定になっている少年ロビンと男手ひとつで息子を育てている父親シーオの物語。

このお父さんは不器用ながらわが子のためにできる限り向き合って奮闘している。(間違った選択をしているところもあったとは思うが)ロビンに話してあげる惑星の物語は美しく興味深い。

繊細な息子のロビンが絶滅危惧種の生物に心を寄せ健気に生きていく姿も感動的。

父子の愛が描かれていてとても良い物語だったのに…。

 

この結末は私には受け入れがたい。

なぜこんな終わり方にしたんだろう?

決してすべての物語がハッピーエンドであってほしいなどと思っているわけではありません。悲しい結末でも何か心に余韻が残るものならばいいのです。ほんの少しだけでいいから希望があってほしい。

このバットエンドはただ辛いだけ。

 

次はどんな本を読もうかな。