ちよりの読書室

読んだ本の感想をゆる~く書いています。

教養なくて情けない

読んだ本

『入門 山頭火

町田康

春陽堂書店

 

町田康先生が自由律俳人山頭火について書いた本。

 

山頭火」名前だけは聞いたことがあるけど、なにをやっていた人かも知らなかった。学校で習っていないはず(私だけ?)。俳句なんて難しそう、そもそも自由律俳句とは?教養なくて情けない。でも入門って書いてあるし町田先生が書いた本なので読んでみるか。

 

山頭火は各地を放浪しながら多くの句を読んだ自由律俳句の俳人。なぜ、仕事に就いても長続きせず妻子を捨て酒を飲んでは暴れたりして、最終的には行乞することになったのか?幼少期に母親の自死という壮絶な体験をしたことが原因で酒浸りになり身を持ち崩したというようなことがウィキペディアに書いてあった。ただ母親の死だけではなく他にもにも要因があるのではないか。型にはまらない俳句はどのように生み出されたのか。町田先生の考察は独特でとてもおもしろい。そして「どうしようもない山頭火」にちゃんと寄り添い思いを巡らせているところが町田先生らしい。

 

自分ではどうすることもできない境遇、そこからの逃げ道は酒を飲むことしかなくて、もがき苦しみながら搾り出した言葉がこの俳句だから山頭火の句は良いのかもしれない。

 

とても良い勉強になりました。

今度、句集を読んでみようと思います。

 

 

#読書 #入門 山頭火 #町田康 #俳句