ちよりの読書室

読んだ本の感想をゆる~く書いています。

いろいろと考えさせられるなぁ~

読んだ本

『破果』

ク・ビョンモ

小山内園子訳

岩波書店

 

韓国文学を読むのは初めてです。

 

殺し屋のおばあさんの話。

 

読みづらい文体で最初は戸惑いました。(作者の意図するところらしい)今まで一流の殺し屋として活躍していた主人公爪角(チョガク)。老いて身体だけでなく心にも変化があって今まで通り仕事ができなくなってしまう。そこから過去の因果なども絡み合って壮絶な戦いを繰り広げることになる。

手に汗握る戦いの様子、主人公の心の機微がとても良く描かれていて、グングン引き込まれて一気に読み終えた。

今年読んだ本のなかで一番おもしろかった。

 

ちょうどこの本を読み終わった時、新聞に韓国でショーヘアの女性が髪型を理由に見知らぬ20代男性から暴行された事件のニュースが載っていた。(韓国ではショートヘアの女性をフェミニストだとして攻撃する事例があるとのこと)この記事を読んで、韓国でこの本は決してただのエンターテインメント小説ではなく男女の分断などで揺れ動くこの状況を打破してくれそうな主人公に心を寄せて読まれているのかもしれないと思った。

いろいろと考えさせられるなぁ~

 

次はどんな本を読もうかな。

 

#読書 #破果 #ク・ビョンモ #小山内園子