ちよりの読書室

読んだ本の感想をゆる~く書いています。

はよ、断りば言うてきんしゃい!

読んだ本

 『少女を埋める』

 桜庭一樹

 文藝春秋

  少女を埋める

 

かなり前から桜庭さんの本は新刊が出るたびに購入しているのですが、手元にはあったものの何となく不吉な題名におののいて読むのが遅くなってしまいました。

そして、わたしはSNSをやっていないのでこの本の書評をめぐりいろいろなことが起こっていたのを読んでから知りました。

このブログはただ本を読んで、ネタバレしないようにということだけ気をつけて、自分の思ったことをただ書き綴るというものなのですが、今回はそうはいかないようです。

国語の問題みたいに本を読むのは嫌だなぁ~。

全編の感想を一度に書くのは難しいと思うので「少女を埋める」と「キメラ」「夏の終わり」の感想は分けて書きたいと思います。

 

『少女を埋める』

桜庭さん本人が主人公と思われる私小説

昔ながらの考えにとらわれている母親との確執、世の中の理不尽。受け流したほうが楽なのかもしれないけれど、それではいつまでたっても、弱い者は虐げられたままで悲しい思いをして生きていかなければならない。自分を大切にして生きることはとても難しい、でも、難しくても勇気を持って行動しなくてはと思いました。

心に響くとても良い物語でした。

 

『キメラ』『夏の終わり』

 

ケアがテーマの書評に『少女を埋める』が取り上げられているけど、この物語はケアが主題の話ではないと私は思います。これは読む人の感じ方を尊重するとして、《お母さんがお父さんの介護中にお父さんを虐待した》は、なんで?どうして?と疑問がいっぱいです。

 

何度も繰り返し読んでみましたが、やはり介護中にお母さんからお父さんへの虐待があったと思われるシーンはないです。

お父さんが病気になる前にお母さんが(身体的なものなのかそれとも言葉によるものなのかわからないけれど)お父さんに暴力をふるっていたのだろうと読むことができるところはありました。

 

どうすれば、このような捉え方になるのか?

なぜ、作者本人が事実とは違うと言っているのに、訂正しないのか?

私の頭に浮かんできた言葉は九州人ならおなじみの東雲堂の二〇加煎餅(にわかせんぺい)のCMの

「はよ、断りば言うてきんしゃい!」

標準語にするならば

「はやく、謝ってきなさい!」

人間は間違ったり失敗をしてしまうものです。それを、認めず言い訳ばかりしていないで謝ればいいのになぁと思いました。

謝ったら負けとか、言い負かしたら勝ちとか良くない風潮では?

 

 

このことで桜庭一樹さんはとても傷ついだろうな。

 

あぁ、本は楽しく読みたい。

 

次はどんな本を読もうかな。